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バナナフィッシュ(2)
バナナフィッシュ(2) (JUGEMレビュー »)
井上和彦,アクション百田,古澤徹,松本保典,ラジオ・サントラ
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BANANA DREAM

少女漫画BANANAFISHの二次創作ブログです。アッシュと英二の幸せな日常話を中心に、バナナフィッシュのキャラクター達とのギャグ・パロディ創作小説を掲載しています。
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もしもアパートに妖精が現れたら・2
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     妖精の集会では、59丁目のアパートメントに出没した妖精が、
    自分の身に起きたことを話していた。

    「とにかく二人とも美少年なんだけど、僕は死ぬかと思ったよ。
     あの部屋は危険だ」


    【美少年】という言葉に、中年の妖精が食いついた。
    「君、その美少年がいる部屋を私に教えなさい」
    「え? あなた……本気ですか? 」
     妖精は目を丸くして中年妖精に聞いた。


     美少年に興味を持った妖精ディノ・ゴルツィネは つるっぱげの
    中年妖精だった。ゴルツィネは若くて綺麗な子供――特に金髪の
    美少年――の部屋を好んだ。


     その晩、59丁目のアパートメントに妖精ゴルツィネがやって
    きた。彼は扉の隙間から部屋に侵入した。

    「どれどれ……少年に会うのが楽しみだ」
     ゴルツィネは怪しげな笑みを浮かべてあたりを見渡した。


     リビングでは数人の少年たちが眠っていた。どうやら今宵はパー
    ティーがあったらしい。転がった酒瓶と共に飲みすぎた不良少年達が
    いびきをかいて熟睡していた。


    「どこに金髪の少年がいるのだ? ……む! あれか」
     ゴルツィネは仰向きで寝ているアッシュを発見した。


    「ほほう……これは……美しい! 魔性の美獣だ! 」
     世紀の大発見をしたと言わんばかりの表情で、ゴルツィネは
    興奮しながらアッシュの元に近づいた。

    「もっと近くで顔をみたい」
     アッシュのシャツをつかみ、彼はよじ登った。


     アッシュは完全に熟睡していて、ゴルツィネがアッシュの体に
    よじ登っていたことに気づいていなかった。


     アッシュの胸に登ったゴルツィネは、まるでエベレスト登山をしたか
    のように満足感でいっぱいになった。両手を広げて思い切り深呼吸
    をした。


    「うーん、気持ちいい! ここは草原のような良い香りがする! 」
     そして次の到達地点をアッシュの顔に決めた。



     ゴルツィネは先日この部屋に侵入した妖精から、アッシュの首まわり
    を歩いた為に手ではじき飛ばされたと聞いていた。


    「首は敏感なようだ……そこを通るのは危険だ、ルートを変更するか」


     ゴルツィネはアッシュの鎖骨の上に立って、コンパスやらメジャー
    やら様々な道具を使って測定し始めた。


    「違うルートを通って迂回するのも有効だが…… この魔性の美獣は
     警戒心が強くて反射神経が抜群らしいな。短時間で攻めなくては……」


     ゴルツィネはアッシュの鎖骨にジャンプ台を置いた。そして全力で
    走ってジャンプをした。
    「1・2・3……ダァッ! 」


     ジャンプは成功し、見事アッシュの顎の上に飛び乗った。しかも運の
    いい事にアッシュはまだ気づいていない。


    「やった!! 」
     思わずゴルツィネはガッツポーズをとった。そして彼はアッシュの顔を
    うっとりと見つめた。

    「このミッションをやり遂げた自分に、最高の褒美を与えるか……」


     狙うはアッシュの唇。
    「マイ・スイート・ハニー、おまえに会いたかったよ……」


     ゴルツィネはアッシュの唇に近づいてキスをしようとした
    その瞬間


    「……へックシュン! 」
     アッシュがくしゃみをした。


    「うわっ!! 」
     風圧でゴルツィネは数メートル飛ばされた。だが彼は奇跡的に無傷だった。


    「何だ? 」
     地面は水風船のようなボヨボヨした感触がした。


     ゴルツィネは酔っぱらって寝ていたコングの腹の上にはじき飛ばされた。
    「トランポリンみたいな腹だ。どんな無様な顔をしているんだか……
     確認してやる」


     ゴルツィネはコングの鎖骨の上にのぼった。そして顔をみおろした。
    「……残念だ、やはり私のタイプではないな。今すぐ下山しよう」
     そう思って引き返そうと思った瞬間、コングの手がゴルツィネを握った。


    「え……掴まれた? 」
     まるでキングコングにつかまれた美女のような態勢だ。
     体をよじったが、全くビクともしない。

    「……美味しそうだな。英二の作るドーナツが一番上手いぜ……」
     寝ぼけているコングは、ゴルツィネをドーナツと勘違いして食べようとした。


     コングが口を大きくあけた。
    「いただきます……」

    ゴルツィネはコングの歯をみて、背筋が凍った。
    「ぎゃぁぁぁぁ……! 食べられる! 」


    何とか必死に抵抗して、命からがら逃げてきた哀れな中年妖精は
    二度と59丁目のアパートメントに現れなかった。


    <完>


    らぶばなです。お読みいただき、ありがとうございました。

    今回は、ゴルツィネが妖精ならアッシュにどんな
    ことをするだろう? と考えて創作しました。
    完全にギャグストーリーになりましたが、アッシュの唇は守られ
    ましたのでご安心ください(笑)

    明日から長編シリーズを開始しようかと考えています。
    よければご覧くださいね。

    拍手・コメント・ご感想は下の拍手ボタンからどうぞ★
    続きを読む >>
    | 夢妄想・もしも編 | 06:35 | - | trackbacks(0) | - | - |
    もしも妖精がアパートに現れたら・1
    0

       ある日の深夜、59丁目のアパートメントに妖精が現れた。
       妖精と言っても、人間をそのまま小さくしたような形をしていて、
      特別な能力があるわけでもなかった。

       この妖精には変わった趣味があった。人間に憧れているこの
      妖精は、人間の生活を覗き見し、あれこれ探索する癖がある。

       人間に見つかると大変なことになるので、主に人間が寝静まった
      真夜中に出没するのだ。

       彼は、今晩探索する部屋を決めていた。


      「よーし、今日はこの部屋にしよう!広い部屋だな。
       きっとお金持ちが住んでるに違いないや」


       この部屋の住民は金髪の少年と黒髪の少年の二人だった。
       二人ともぐっすり眠っている。


      「友達同士かな?2人だけで暮らすだなんて、
       よっぽど仲良しなんだな」
       妖精はベッドによじのぼった。


      「よいしょっと……おや? 」

       そこには、黒髪の少年がすやすやと眠っていた。


      「わ!この子は可愛い顔をしてるな。髪もツヤツヤしてるし。
       もうちょっと近づいてじっくり顔を見てみよう……」

       妖精は英二の肩によじ登った。そして英二の顔を見おろした。


      「肌がモチモチしているよ。触ってみたいな……
       よし、顔まで行ってみよう」

       トタトタと肩から首へ走り、英二の髪をロープ代わりにして
      英二のほっぺたに妖精が乗った。


      「アハハ……気持ちいい! 」

       トランポリンのような感触に妖精は思わずジャンプする。
       妖精のジャンプがくすぐったくて、英二は思わずくしゃみを
      した。


      「……ハックシュン! 」


       英二のくしゃみの勢いで妖精は飛ばされた。

      「うわーっ! 」

       妖精は台風のような突風を体に受けた。そして隣のベッドに
      転がって落ちた。


      「いてて……腰を強打したよ……」
       腰に手をあてながら妖精はベッドの上を見上げた。そこには
      美しい金髪の少年が静かに寝息をたてていた。

      「すごく綺麗な金髪の少年がいる!モデルみたいだ! 」
       妖精はアッシュの美貌に興奮した。


      「この子の顔をもっとじっくり見たいな」

       妖精は英二の時と同じくアッシュの肩までよじのぼった。

       そして肩から首へと移動したその瞬間……

       目の前に大きな壁のような手のひらが現れて、妖精に激突した。
       まるで虫でも叩くかのように、アッシュは妖精を手で思い切り叩いた。


      「キャ―ッ!!」
       妖精は弾き飛ばされて床に落ちた。

       寝ぼけているアッシュがつぶやく。
      「かゆいッ! 虫か? 英二、窓を閉めてくれ……」
       そう言ってアッシュは再び眠ってしまった。


       妖精は薄っぺらい紙のように潰されてしまったが、何とかこの
      部屋を脱出することができた。


      「怖かった……魅力的な二人だったけど、この部屋は危ないぞ。
       仲間に伝えなきゃ……」


       命からがら逃げてきた妖精によって、このアパートは妖精界の
      「訪問不適合ブラックリスト」に加えられたのであった。


      <続>


      らぶばなです。今日は「もしも編」で妖精の視点でのお話を創作
      しました。2話完結の予定です。

      もし私が小さくなって、アッシュと英二を見たらどんな感じだろう?
      という妄想から作りました。

      次回は中年妖精が出てきます。危険な予感がします……

      もしお楽しみいただけたら、拍手ボタン・又は拍手ボタンからの
      コメント・リクエスト・ご感想を送ってくださいね。

      | 夢妄想・もしも編 | 07:20 | - | trackbacks(0) | - | - |
      喧嘩(シリアス)
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        「才能なんて――そんなものほしいと思ったことは
         一度だってない! 」
         

         アッシュと喧嘩したその夜、彼は部屋に帰って来なかった。
        僕はベッドに入っていたけど、眠れないままずっと後悔していた。


        (――言いすぎた。アッシュを傷つけてしまった……)


         自分が情けなくなり、思わず拳でシーツを強く握りしめる。
        気がつけばカーテンの隙間から朝陽が差し込んでいた。


        (夜明けか……。アッシュはどこで過ごしたのだろう? )


        このアパートは彼のものなのに……僕は更に情けなくなった。

        「アッシュを探しに行こう――でも、どうやって? 」


        その時、玄関のベルが鳴った。僕の心臓もドキリと反応した。

        「アッシュ――? 」
         僕はドキドキしながら玄関まで走った。そして覗き穴で
        訪問者を確認した。


         そこにはアッシュの子分――コングとボーンズがいた。
         僕は少し残念だったけど……でも彼らならアッシュの行き先を
        知ってるかもしれない!


         僕は勢いよくドアを開けて言った。
        「アッシュは一緒じゃないのか? 」
        「――おい。ドアを開ける時は相手をちゃんと確認しろと
         ボスに言われただろ? 」
         僕があまりに早くドアを開けたものだから、二人は少し不思議
        そうな顔をしていた。


         コングとボーンズは、僕がアッシュと喧嘩したことに驚きながらも
        図書館まで連れてきてくれた。

         僕はちょっと気が重かったが――

        (えぇい! 悩んでいても仕方ない。当たって砕けろ! )


         自分に言い聞かせて図書館のドアを開けた。


        (アッシュ……どこにいるのかな? ――いた! )


         アッシュは 図書館に一人で――ぽつりとそこにいた。静かな空間の
        中にいたせいか、アッシュの背中はひどく孤独で、ひどく小さく見えた。
         
         本当の彼の姿を見た気がして――僕はアッシュに何と声をかけていい
        のか分からなかった。


         僕とアッシュは数々の修羅場をくぐりぬけて、悲しい友人の死を共有
        して、お互い信頼しあっていると思っていた。
         でもどれほど深く信じあっても分からないこともあるし、
        どうすべきか迷うこともある――。


         だけど……僕はアッシュを信じたい。アッシュの孤独に寄り添って
        生きていきたい。きっとそれが愛することかもしれない。


         アッシュは僕の方をみないけど、勘のいい彼は僕が近くにいることに
        気づいているはずだ。


         僕は少しほほ笑んだ。迷いは吹き飛んでいた。
        アッシュのもとに行こう――僕はゆっくりと歩いた。


        <完>



        こんばんは。らぶばなです。お読みいただきありがとうございます。

        原作8巻の喧嘩後のシーンです。英二の心情とある曲の歌詞をあわせて
        短編を書いてみました。


        今日は更新予定はなかったのですが……(笑)やはりバナナフィッシュ
        創作が好きなので急きょ更新しました。


        出勤途中、ラジオを聴いていて気に入ったフレーズがあったので
        それを元に創作しました。歌詞に惹かれて創作するのは初めてです。



        福山雅治「家族になろうよ」

        曲はこちらから聞けます(歌詞付き)
          ↓
        http://www.youtube.com/watch?v=CJ0DX4rYrtQ&feature=related


        「どれほど深く〜」からサビの直前までの歌詞を参考にしました。


        コメント・リクエスト・感想は拍手ボタンよりどうぞ。
        今回の短編を楽しんでいただけたら拍手をよろしくお願いします。

        | 夢妄想・短編 | 22:34 | - | trackbacks(0) | - | - |
        近況報告と雑記
        0

           本日は近況報告と雑記のみの更新です。

          ■■近況報告

          ★次の長編小説を創作中です(近日中に公開予定)。
          私の尊敬するバナナフィッシュ創作ブログ様たちのアイディアと
          イラストを元に、誰もが知っているお話をバナナフィッシュの
          キャラで新しく創作しています。原作話とは少し異なるテイストを
          お楽しみいただけたらと思います。

           あと少しだけお待ちくださいね!


          ★近々、ブログサービスを変更する予定です。小説ごと一緒に引越し
          出来ればいいのですが、難しいようなので、どういう形をとるか
          迷っています。
           あれこれ試行錯誤中なので 少し内容がゆるく(手抜きともいう?)
          なるかもしれません。
          出来るだけ皆様が見やすく楽しめるものにしたいと思います。

          詳しいことが決まれば、すぐご報告致します。


          ■■雑記

          ★午前中は体調不良で苦しんでいました。
           オフィスに着いて1時間もしないうちに腰痛・腹痛で
          座っていられないほどに……(><)
           原因は「冷え」です。エアコンの設定を2度上げて
          風の強さも弱にすると体が楽になりました。
           座る席によってエアコンのあたり具合が異なるので
          「温度調整合戦」になってしまいます(笑)

           どうぞ皆様も体を冷やさないようにして下さいね。

          | 企画・御礼・お知らせ | 18:30 | - | trackbacks(0) | - | - |
          アッシュのいたずら
          0
             

            元ネタは、大好きなイラストブックANGEL EYESです。
            「英二の耳たぶを噛むアッシュ」
              ▼▼

            私は このイラストを見た時、「一体どうしの?」と真剣に
            考えました(笑)

            二人の表情も他のイラストと違って怪しげ……
            英二の表情は受け入れてるの? 気にしてないの?
            よく分かりません(誰か教えて! )

            今回は、この禁断のイラストをテーマにしました(笑)
            ぜひチェックしてお読みくださいませ。
              ▼▼
            Angel eyes―吉田秋生イラストブックBANANA FISH


            さらに原作8巻でアッシュと英二がガールフレンドに
            ついて話をするシーン
            の会話を少しだけ使ってみました。
               

            英二をからかうアッシュが可愛くて好きです。
            英二はかわいそうですが(笑)
            皆さまはどう思いますか?よければ教えて下さい。

            以下BANANA FISH創作です。お楽しみ下さい。



            【アッシュのいじわる】

            「英二、お前ガールフレンドはいるのか? 」
            新聞を読んでいたアッシュが突然質問してきた。

            「な……何だよ突然? 」
            英二は答えにつまった。

            「興味があるから聞いたんだよ。 」
            眼鏡をはずしながらアッシュは英二を見た。

            「い……いないよ。そんなの! 」
            英二は顔はもちろん、首から耳たぶまで真っ赤になって
            否定した。

            その様子が可愛くて、可笑しくて――アッシュはつい
            英二をからかいたくなった。

            「どうしてだよ?英二、お前なら絶対すぐに
             ガールフレンドぐらい作れるだろ? 」
            「そうかな? よく分からないよ……」
            英二は首をかしげて答えた。

            「きっとシャイなお前は 押しが足りないんだよ。
             俺がお手本をみせてやるよ 」
            アッシュが英二に近づいた。

            「お手本? 」
            「ちょっとこっち向けよ……」
            そう言って、アッシュは英二の顎をつかんで自分の方へ
            向かせた。

            英二はアッシュの顔が至近距離にあるので
            何だかドキドキした。

            (一体何? )

            「好きだよ……お前が好きだ…… 」
            アッシュが英二の耳元で囁いた。

            「あ……えっと……」
            英二は答えに詰まった。

            「俺とつきあえよ……
             お前を満足させてやるから……」
            そう言って、英二の耳たぶを軽く噛んだ。

            「 !!!! 」 (←英二、灰化)

            英二は口を開けたまま、完全に固まっている。

            「……アハハハ!!
             英二……、何て顔してるんだよ! 」

            アッシュはお腹をかかえて笑いだした。
            「面白いな〜お前をからかうと! 」
            「アッシュ――!何て事をするんだよ! 」
            英二は顔を真っ赤にして怒りだした。

            「何怒っているんだよ? お前に告白して、ついでに
             耳を噛んだくらいで【嫁にいけなくなる】とでも言うのか? 」
            アッシュが英二の反応をみて更にからかった。

            「なにが【嫁】だよ! もう! 」
            「責任とってやるぜ。俺のところに嫁入りしろよ」
            「どうして僕がアッシュの【嫁】になるんだよ! 」
            嫁と言われた英二は納得がいかずに抗議した。

            「お前の料理は美味いし、家事もできるし……
             立派な専業主夫になれるからさ。
             俺はいつでも『大歓迎』だぜ 」
            アッシュが英二を追い詰めた。

            「大歓迎……」(←英二、照)

            「今すぐでも……どうだ? 」

            「……」(←英二、固)

            こうしてアッシュに何倍もかえされる英二であった。

            <完> この下に英二のつぶやきがあります


            今回、英二はアッシュに散々いじめられてしまいました。
            こういう時のアッシュは、すごく生き生きしていると思うの
            ですが……。がんばれ、英二!
            もしお楽しみいただきましたら、拍手ボタンで応援よろしく
            お願いします〜。よければメッセージもどうぞ!


            英二のつぶやき
            「アッシュのいじわる! 本当に嫁になってやるぞ! 」

            続きを読む >>
            | 夢妄想・短編 | 09:25 | - | trackbacks(0) | - | - |
            もしも映画タイタニックをアッシュと英二が演じたら・6
            0

              らぶばなです。 
              今日は タイタニック最終回です(長かったです)……何度修正したか。
              ブログ開設1ヶ月半が経ったものの、まだ納得できる創作小説が
              書けなかったからです。小説とは無縁の生活をしていましたので、
              基本が分かっていませんでした。

              他のバナナフィッシュのファンサイト様の素晴らしい小説を読む度に
              私の話しは淡々としているな……と感じ、数日前に「小説の書き方」を
              調べることにしました。

              調べて気付いたのですが、私の書く文章には基本(記号の使い方など)
              が間違っていた上に、「描写」がほとんどなく、説明と会話文だけでした。
              小説は、説明と描写と会話のバランスが大事とのこと。

              「描写って何? 」という状態の私……
              描写はその場の雰囲気や情景をイメージしてもらう伝え方、と言えば
              お分かりでしょうか?

              私はそういう表現を意識していませんでした……。それで反省をして、
              前回のタイタニック・5から描写を入れながら創作しています。
              (その分、文章がどんどん長くなっています)

              いきなり上達することはできないので、ちょっとずつ成長し、みなさまに
              イメージして頂きやすい小説を書けるようになりたいと思います。
              どうぞ温かくお見守り下さいませ。

              最終回はMusicを聴きながら読むのはいかがでしょか……
              http://www.youtube.com/watch?v=DHyJTpDFgc8

              音楽を聴くと原作を想い出しますね。 >>
              私は「アッシュ〜! 」と泣きながら書いてました。
              皆さまはどのように感じられるのでしょうか?

              以下、バナナフィッシュ創作小説です。お楽しみ下さい。



              【もしも映画タイタニックをアッシュと英二が演じたら・6】
              (最終回)

              客船はとうとう直角に海面からそびえた形になった。甲板にいた人や
              柵にしがみついていた人は悲鳴をあげて次々と海面に落下していった。

              そして真ん中から二つにちぎれた船体は、海面に向かって真っ直ぐ落下
              した。英二とアッシュもその衝撃で海中に投げ出されてしまった。

              「――アッシュ! 」
              英二が両手を伸ばして叫んだが、その体は一瞬のうちに
              波にのみこまれて見えなくなった。

              「英二! 」

              アッシュは海面を漂う船の残骸と大量の木片をよけながら、慎重に
              英二の姿を探した。

              そして仰向けにぐったりと海面に浮いていた英二を見つけた。

              (――いた!)

              アッシュは急いで英二の元にたどりついた。
              英二の体を抱きかかえて意識があるか確認したが、英二は海中に
              投げ出されたショックで気を失っていた。

              「英二! しっかりしろ! 」

              アッシュは英二の体を揺さぶった。
              英二の笑顔を――アッシュの心を癒してくれた、大好きなその笑顔を
              もう一度見たかった。

              『僕が君の運命を変えてあげるよ―― 』
               アッシュは英二の言葉を思い出していた。

              孤独だったアッシュに一筋の光を与えてくれた存在――アッシュにとって
              大事な大事な唯一の存在をこの世から消したくなかった。
              命に代えて守りたかった。

              アッシュは何とか英二を助ける方法はないか必死に考えた。そして海面に
              浮かぶ木の板――人ひとりがようやく乗れるぐらいの板―― を見つけた。

              (あの上に英二を乗せれば――)

              アッシュはわずかな希望にかけることにした。
              木の板にしがみついたアッシュは、力をふりしぼって英二を板の上に乗せた。
              少しでも寒さから英二を守るために、自分のジャケットを英二にかけた。

              「英二――たのむ……目をあけてくれ!
               神様――英二を助けて下さい……俺を代わりに……。」

              アッシュは自分より小さな英二の手を握りしめて必死に願った。
              その時――

              「うぅ……」
              英二がわずかにうめいた。

              「英二? 」
              アッシュは目を見開いた。
              願いが通じたのだろうか? 英二はピクッと体を震わせた。
              だが、まだ意識は戻ってこない。

              アッシュは片手で木の板にしがみついたまま、英二を励まし続けた。
              もう片方の手で英二の頬や手をさすりながら諦めずに声をかけた。

              「英二、しっかりしろ!――お前、アメリカに行って夢を叶えるんだろ?
               【どんな事があっても生き抜くんだ! 】って俺に言っただろ? 
               いい加減、目を覚ませよ! 」

              体力の限界が近いアッシュは次第に声がかすれてきた。
              英二の体はまだ温かい。そのことがアッシュにとって救いだった。

              (救助船さえくれば、英二は助かるかもしれない……)

              大西洋の冷たい水の中で、寒さでアッシュは全身が震えた。
              どんどん体温は下がり、アッシュの意識も朦朧としてきた。

              (さすがに無理だな……きっと俺は死ぬ……)

              自分の死は怖くなかった。怖いのは親友と呼べる愛しい存在が
              この世から消えることだけだった。

              「俺は幸せだ……英二、お前に出会えて……」

              アッシュは英二の指にそっと触れ―― そして手の甲にゆっくりとキスを
              した。

              わずか数日の出来事だった。
              だがそれは確実にアッシュの運命を変えてくれた。

              英二に出会えた感謝と愛をこめて―― そして英二が助かるように――
              アッシュはキスに願いをこめた。

              「ア……シ……ュ……」

              英二の唇が動いた。かすれるような小さな声だったが、アッシュには
              ちゃんと聞こえた。
              うっすらと英二の瞼が開いた。じきに英二は意識を取り戻すだろう。

              そしてアッシュは はるか遠くに救助船の光を見た。
              自分の願いが叶えられたのだ。

              (きっと英二は助かる・・・)

              安心したアッシュは、微笑みながら瞳をゆっくり閉じた。
              そして静かに永遠の眠りについた。


              数十分後。
              灰色がかったもやの中で救助隊のボートがライトを灯す光が顔にあたり、
              その眩しさで英二は目を覚ました。
              だが救助隊は英二を死体と勘違いし、ライトは別方向へ向けられた。

              「う……ア、アッシュ……。」

              ひどい頭痛がしたが、英二はゆっくり体を起こした。目の前には、
              木の板にしがみついているアッシュの姿が見えた。

              「助けがきたよ……もう大丈夫だ……アッシュ? 」

              英二はアッシュに伝えようとしたが、反応がない。英二は不安になって
              アッシュの顔をのぞきこんだ。

              彼は真っ白い顔になって、手を板の端にのせたまま冷たく凍って息絶え
              ていた。

              「アッシュ…… 」

              英二は驚いて目を見開いた。そして自分が木の板の上に乗っていること、
              アッシュのジャケットをはおっていることに気がついた。

              アッシュは自分の命と引き換えに英二を助けてくれたのだ。
              アッシュの、英二への深い想いが 強烈な痛みと共に感じられた。

              きっと英二も反対の立場なら、同じ事をしただろう。英二はその愛しい顔
              を無言で見つめるしかなかった。

              真っ白なアッシュの顔を見ていると、英二はある想いにとらわれた。
              ――彼を追って死んだら 天国で会えるかもしれない。
              しかしその一方で、英二は自分がアッシュにかけた言葉を思い出した。


              『生きるんだ! どんな事があっても生き抜くんだ! 
               僕も絶対に生きるから!』

              (アッシュが命をかけて僕を助けてくれたんだ……僕は、簡単に
               死ぬわけにいかない! )

              英二は頭を振り、拳をにぎった。そしてもやのかかった空をにらみつけて
              叫んだ。
              「どんな事があっても生き抜くんだ! 運命は変えることができる! 」
              迷いを捨てた英二は 再び強い心を取り戻した。

              英二は アッシュの冷たくなった指と頬にキスをした。
              様々な想いがあった――。

              アッシュの顔は優しくほほ笑んでいた。

              「ありがとう。アッシュ……僕を助けてくれて。
               僕……絶対に生きるよ!どんなに辛いことがあっても生き抜くよ!」

              その時、英二が乗っていた木の板が割れた。その衝撃でアッシュの手が
              板から離れた。

              まるで英二の決意を見届けたように、アッシュは海中に沈んでいった。


              「――アッシュ! 」
              思わず英二は手を伸ばしたが、沈んだアッシュの体は見えなくなった。


              英二は一瞬くじけそうになったが――歯を食いしばり気持ちを切り
              替えた。今は救助隊に見つけてもらわねばならない。
              だが体が凍えて声が思うようにでなかった。

              (救助隊にどうすれば気づいてもらえるだろうか…… )

              必死に考えて、体を動かした。そして近くにあった船員の遺体の首
              にかかっていた笛を見つけた。英二は残りの力をふりしぼり、必死
              に吹き続けた。


              「オーイ、誰かまだ生きているぞ! 」

              救助隊のライトが英二を照らした。英二は救助船に助けられた。



              救助船はニューヨークに着いた。
              やっとアメリカにたどり着いた――だが素直に喜べなかった。
               
              あまりに色々な事が起きすぎた。英二は放心状態だった。
              救助隊員が英二にかけよって尋ねた。
              「君――大変だったね。君の名前を教えてくれる? 」
              「僕は エイジ・リンクス……」




              そして現在。
              英二はすべて語り終えた。英二の視線は遠くを見つめていた。

              「アッシュとの想い出は 自分の心の中にいつまでも残っているよ。
               忘れることは出来ない。忘れようと考えたこともない。
               短かったけど精一杯 彼は自分らしく生きたんだ。
               僕は彼を誇りに思う。」

              「おじいちゃん、そんなすごい体験をしたのね・・・。」
               アキラは英二の肩に手を置いた。その目には涙が浮かんでいた。

              「あぁ。だけど僕はずっと幸せだったよ。
               彼が僕のそばにいるような――僕の命は彼の命だ――とさえ
               思ってこの歳まで生きてきたんだよ。
               アキラ……君も素晴らしい人と出会う事を祈っているよ。」
              英二は優しく微笑んでアキラの頭をなでた。


              その夜、英二は『翡翠のピアス』を手にしていた。

              救助船に助けられた時、英二は はおっていたジャケットの内ポケット
              に『翡翠のピアス』が入っている事に気が付いた。

              その時から英二はこれをお守りとして密かに持ち続けていたのである。
              アッシュの想い出の品はこれしかなかった。

              英二は静かな海を見て、ゆっくりとつぶやいた。
              「アッシュ――君の写真を久しぶりに見たよ。僕の記憶していた君のまま
               だった……また君に会えた気がして嬉しかったよ。」

              英二は『翡翠のピアス』を優しくなでた後、勢いよく海に投げ落とした。
              小さな水しぶきをあげて海中に沈んでいった。

              英二の心には いつまでもアッシュの姿が残り、彼との幸せな想い出に
              包まれながらベッドで眠った。


              それから数週間後。
              英二は永遠の眠りについた。
              タイタニック・バナナ号の乗客の方々に祝福されながらアッシュと英二は
              再び出会うのであった。

              「アッシュ……! 」
              「英二……! 」


              -------------------------END------------------------------------------


              59丁目のアパートメント。
              TV画面にエンドロールが流れた。

              こうして話題の映画「タイタニック・バナナ号」のDVD上映会が終了した。
              映画を見終えた仲間たちの大半が涙を流していた。

              「俺、感動したぜ……」
              「英二が薦めたこの映画、かなりヤバいな……」
              「こんなに泣いたのは久しぶりだぜ……」
              皆それぞれ感想を言いあっていた。

              感極まった英二はティッシュで目頭を押さえたが
              嗚咽はとまらなかった。

              「おい 英二、大丈夫かよ?」
              仲間たちが心配して声をかけた。

              「う……うん……僕、感動してさ……」

              一方アッシュは涙を見せるのが恥ずかしいのか、
              腕組みしたまま顔をずっと前に向けて微動だにしない。

              「――アッシュ? 」
              「――ボス? 」

              仲間たちが声をかけた。

              「――うるせぇ。」




              仲間たちが帰ったその晩、アッシュが突然言い出した。
              「おい、英二。映画のあのポーズやってみろよ」
              「あれって何――?」
              英二は首をかしげて不思議そうにアッシュを見た。

              「船首で二人がしていた―― 両手を広げるポーズだよ。」

              「――え? アッシュ、こうだっけ? 」
              英二が両手を広げたが、それはどうみても万歳のポーズだった。

              「英二、そうじゃなくてこうだろ? 」
              アッシュが見本を見せて両手を広げた。

              「え―そうだっけ? 僕の方があってるよ。」
              「英二! ちがうって! 」
              ムキになってアッシュが強く言い張った。

              「絶対にこっち!」
              英二も対抗して、両手をぶんぶん大きく振って主張した。

              「だから―― こうなんだって! 」
              らちが明かなくなって、アッシュは英二の背後にまわって両腕をつかんだ。
              そして手を伸ばし、英二の体を後ろから支えた。

              偶然にも、二人は映画の主人公たちがとった有名なポーズを自分たちの
              部屋で再現していた。

              (あ……映画のポーズと一緒だ)
              アッシュはすぐに気づいて少し恥ずかしくなった。
              逆に英二は全く気付いてなかった。

              アッシュは映画を思い出していた。
              もし同じ状況が起きたら、自分は英二を命に代えて助けるだろう。

              (俺は今、英二が目の前にいる幸せを実感できる――)
              英二が傍にいることを当然だと思っていたが、本当は奇跡的な偶然が
              重なっていたことに改めてアッシュは気付いた。

              この幸せを手放したくない―― いつまでも味わっていたい―― 
              思わずアッシュが背後から英二を強く抱きしめていた。

              アッシュは背中越しに英二の体温を感じた― 英二は生きている―
              そのことが嬉しくて、アッシュは英二のTシャツに顔をうずめた。

              「うわ! アッシュ――ふざけるなって!」
              英二は アッシュにからかわれたと勘違いした。

              「別にいいだろ――? 減るもんじゃないし。オニイチャンはコンパクト
               サイズで可愛いから、つい抱きしめたくなるよ。」

              映画のせいで、感傷的になっていたアッシュは英二に甘えたかった。
              だが素直に口にすることができず、嫌味になってしまった。

              英二はアッシュの気持ちに気付いていないどころか、
              本気でからかわれていると勘違いしていた。

              「なに? 年下のくせに――! この――! 」
              「アハハハッ! 俺を捕まえることができると思っているのか? 」

              ドタバタと二人は追いかけっこを始めた。
              その想像しい足音で 先ほどまでの感傷的な気分はどこかに
              消えてしまった。

              いつもの明るい二人の笑い声だけがアパートに響いていた。


              <完>  ※この下にあとがきがあります


              長編シリーズ、タイタニック版がようやく終了しました。
              お読み頂いた皆様、ありがとうございます。

              最後まで読まれた方は、ぜひ下の拍手ボタンから感想を下さい★
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              私は読者様のお言葉が嬉しいのです!

              あなたの言葉・メッセージが更新の励みになっていますよ。
              メッセージをくれないと更新の速度をゆるめちゃうかも(←鬼)
              ……大変失礼しました(笑)

              さて、今回のラストですが、実はDVD上映会の内容だったという
              この展開、どう思われましたか? 

              このブログはアッシュと英二を幸せにしてあげたいという想いで
              創作していますので、こういうラストになりました。
              どうぞご了承ください。

              長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。
              続きを読む >>
              | 夢妄想・シリーズ編 | 05:25 | - | trackbacks(0) | - | - |
              恋の予感・アッシュ編
              0
                らぶばなです。今日は恋の予感・アッシュ編です。
                アッシュ編を書いてほしいというお声をいただいてましたが、
                なぜか書けませんでした(笑)

                もしアッシュが誰かに(←あの人しかいませんが)恋をする
                お話を期待していたのなら、ごめんなさい(笑)
                今回は恋をされる側です。
                そんなのしょっちゅうだと思いますが……

                元ネタはANGELEYES内のイラスト
                「英二を抱きよせて首筋にキスをするアッシュ」です。
                  ▼▼

                私はこのイラストを見るたびにドキドキします。
                皆さまぜひ【アッシュの目線】に注目して下さい。

                キスをするとき、普通は甘い視線や熱い視線になると
                思いますが、アッシュは(自分達を見ている誰かに対して)
                挑むような鋭い目つきをしています。

                英二は後ろ姿しか描かれていないので、どんな表情を
                しているか分かりません……(←見たいです)
                アッシュにされるがまま!?の英二…… 

                なぜ首筋キスをしたのでしょうか?
                なぜ鋭い目つきをしているのでしょうか?
                わたしには疑問でした。

                今回の創作話では、このイラストを元に創作しました。

                そして、この首筋キスを目撃する羨ましい人物として
                アパートのお隣の住民、ミセス・コールドマンの双子の孫
                (架空設定のキャラです。原作には出てきません)を登場
                させました。

                この双子がアッシュに恋をして……首筋キスへ?
                どういう流れになるのでしょう(笑)

                私がもし首筋キスを目撃したら、キャー!と叫ぶかもしれ
                ません。そしてアッシュにギロッと睨まれたら、ギャー!
                と叫んで逃げるかもしれません(笑)

                ぜひイラストブックをお持ちの方は一度見てからお読み
                くださいね。まだお持ちでない方は ぜひこの妄想をかき
                たてる魅惑のイラストブックをおすすめします。

                オススメ  >> Angel eyes―吉田秋生イラストブックBANANA FISH

                以下、バナナフィッシュ創作小説です。お楽しみ下さい。
                 



                【 恋の予感・アッシュ編(隣人→アッシュ) 】


                英二はアパートの1階にあるスーパーで買い物をしていた。
                トマトを手にとって品定めをしている彼を見つけに、初老の
                女性が話しかけた。

                「あらエイジ、あなたもお買いもの?」
                「こんにちは、ミセス・コールドマン。今晩の献立はもう
                 決まりましたか?」
                英二は振り向いてにこやかに笑う。

                「えぇビーフシチューよ。双子の孫のリズとリサが遊びに
                 来ているの。若い子はお肉が好きなのよ。」
                「そうですか。賑やかでいいですね。」
                「最近、しょっちゅう遊びに来るのよ。前はそんなに
                 来なかったのに……。世話をするのも大変だわ。」
                ミセス・コールドマンは眉間に皺をよせる。

                「食事のメニューを考えるのが大変ですね。」
                英二は同情して言った。

                「そうなのよ。高校2年生だから食べざかりで。
                 テストが終わってしばらく学校が休みだから毎日来るの。
                 本当に大変だわ・・・」
                ミセス・コールドマンはため息をついた。


                 
                その頃、アッシュはある少女達の視線に悩まされていた。
                (何なんだ、一体・・・)

                はじめは気のせいだと思ったが、この数日間、高校生くらいの
                少女2人とアパートのフロアやロビー、廊下ですれ違うように
                なった。お揃いの眼鏡、お揃いの洋服を着た赤毛の2人は
                そっくりな顔をしていた―恐らく双子であろう。

                彼女たちはお隣に住む主婦の孫のようだが、特にアッシュに
                話しかけるわけでもなく、ただじっと見ているだけだった。
                そしてアッシュが傍を通りすぎた後、はしゃぎ声が聞こえて
                きた。

                「―ねぇリズ、今日の彼を見た? 」
                「―もちろんよリサ! やっぱり彼、サイコー! 」
                「彼が帰ってくるまで待つわよ! 」
                「もちろん! その間、ゲームでもしよう。」

                彼女たちは非常に興奮していた。どうやらアッシュに好意を抱き、
                追っかけをしているようだが、直接アッシュに話しかける勇気は
                ないようだ。


                 
                数日前、高校生のリズとリサは 祖母が住むアパートに来ていた。
                苦手なテストが無事終わり、今日は祖母と食事をしに出かける
                予定だった。アパートのロビーで祖母を待っていた彼女たちは、
                その時偶然通りかかった美しい少年を見て目を奪われた。

                美少年―白い肌、陽に透ける薄い金色の髪、すらりと伸びた四肢、
                印象的な緑色の瞳―

                (何て綺麗な人なの! )
                (カッコイイ! )

                同じ様なことを考えながら、リズとリサは目を見合わせた。
                彼女たちは好きになる男性のタイプが同じようだ。

                するとロビーに現れた祖母が「クリス、こんにちは」と少年に挨拶をした。
                クリスは笑って「ミセス・コールドマン、こんにちは。」とかえして
                出て行った。爽やかな笑顔に彼女たちはうっとりした。

                「おばぁちゃん! 今の人知り合いなの? ここの住民? 」
                「何という人? どういう人? 」
                すごい勢いで、彼女たちは祖母を質問攻めにした。


                「クリス? お隣の銀行家さんの息子さんよ。
                 あなた達と同じ、高校生だわ。」
                ミセス・コールドマンは2人の勢いに圧倒されながら答えた。

                「クリス……」
                「私たちと同じ高校生……」
                うっとりとした瞳で彼女たちはつぶやいた。

                それ以来、学校がしばらく休みというのもあって、双子はしばしば
                祖母の家に遊びに来るようになった。


                「はぁ……」
                リビングにいたアッシュはフローリングを見ながらため息をついた。

                アッシュがアパートに帰ってきた時も、リズとリサがロビーで待っていた。
                クリスという偽名を使ってこのアパートに暮らしているアッシュにとって、
                一般人に追っかけをされると気が休まらない。
                もし万が一、正体がバレると非常に困ることになる。

                彼女たちの想いは、今のアッシュにとって迷惑でしかなかった。
                (ただ見ているだけし、告白されたわけでもないし……)

                アッシュはレポートを書いていたが、その手は先ほどから止まっている。
                万年筆を指で叩き、二度目のため息をついた。

                「アッシュ、どうしたの?」
                英二が不機嫌そうなアッシュを気遣った。

                「あ……いや、何でもない。」
                双子の事でアッシュはイライラしていたが、英二に余計なことで心配させ
                たくなかった。

                「何か考え事してたの?」
                「……ちょっとレポートのことでな。」

                英二がアッシュに湯気のたったマグカップを渡した。
                「はい、コーヒーでも飲んで休憩しろよ。リラックスしたらきっと良い
                 アイディアが浮かぶはずだよ。」
                柔らかく英二は微笑んだ。

                「……ありがとう。」
                アッシュはさり気ない英二の気遣いが嬉しかった。不思議なことにさっき
                までのイライラがすっかり消えていた。まるで魔法だ。

                「……英二。今晩、外食しようぜ。お前の行きたい店に連れて行ってやる。
                 スシでもテンプラでも何でも言えよ。」

                「―本当に? ありがとう! うーん」
                英二は天井を見上げて思案した。
                「……ラーメン? 」

                「……何でそんな店なんだよ!……まったくこのオニイチャンは! 」
                アッシュは飽きれたが、笑って英二の頭をクシャクシャとなでた。

                「あーでも、せっかく君が誘ってくれたのにラーメンだともったいないかな。」
                「何だよそれ」
                「たまには雰囲気のいいお店で食事したいな。この間、伊部さんに教えてもらった
                 お店に行きたいな― 」
                英二はアッシュにお店の説明をし始めた。



                夕方、アッシュと英二は外食するために部屋を出た。
                ふだんのカジュアルな姿ではなく、2人ともスーツを着ていた。

                「アッシュはそういう恰好似合うからいいな。」
                羨ましそうにアッシュの全身を見て英二が言う。

                「英二も似合うぜ。小学生には見えないよ。」
                「……なにぃ? 」

                英二のムッとした表情にクスッとアッシュは笑ったが、エレベーターホール前で
                視線を感じた。例の双子がアッシュを見ていた。アッシュがちらりと2人を見ると
                彼女たちは慌てて目をそらした。

                英二は全く何も気付かずにブツブツつぶやいていた。
                「全く……童顔だからってバカにして……」

                イライラのピークに達したアッシュは彼女たちに文句を言ってやろうかと
                思ったが、ふと自分への追っかけを諦めさせる方法を思いついた。

                アッシュはすっと英二に近づいた。英二はアッシュの顔を見上げた。
                「……アッシュ? どうかし…… 」

                英二が最後まで言う前に、アッシュはぐいっと思い切り英二を抱き寄せて、
                英二の首筋に唇を寄せた。

                「!!!!!!」

                そしてアッシュは驚いたまま二人を見ている双子を睨みつけた。

                「……!! 」

                (もう恋人がいるってこと……? )
                (自分たちの邪魔をするなってこと……? )

                彼女たちは走ってその場から逃げ出した。そしてそれ以降アッシュを
                追いかけることはなくなった。アッシュの作戦は見事に成功した。

                一方、突然アッシュから熱いキスを首筋にうけた英二は……しばらくの間、
                その場に固まったままだった。


                <完> ※この下に英二のつぶやきがあります

                お楽しみいただけましたか? 英二の顔を真正面から見たかったです。
                この後、2人はどんな風に食事を楽しんだのでしょうか?
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                やはり皆さまの生のご意見を聞きたいものですから……
                お読みいただき、ありがとうございました!


                英二のつぶやき
                「アッシュ……今のは何……? 」
                続きを読む >>
                | 夢妄想・恋の予感編 | 10:17 | - | trackbacks(0) | - | - |
                【ブライダル新聞】 6月末までの企画
                0
                  BANANA DREAMのらぶばなです。
                  新しい企画を 6月16(木)〜6月30日(木)の間で行います。

                  アンケートにお答え頂いた読者さまにBANANA DREAM オリジナル
                  アッシュと英二のブライダル新聞 】(PDFデータ)を もれなく
                  プレゼントいたします!
                   
                  今すぐご参加ください!
                    ▼▼
                  sinbun

                  ( ※ブライダル新聞とは?? >> こういうものです

                  結婚式や二次会で配布される楽しいブライダル新聞を
                  アッシュと英二を新郎新婦にみたてて作りました!

                  6月30日(木)までの募集になります。

                  ご協力いただける方は 下の拍手ボタンを押していただくと
                  メッセージが送れるので そこから ご参加くださいませ。
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                  4.当ブログに改善、期待することはありますか?
                   

                  (ご協力ありがとうございました。皆様の貴重なご意見は
                   ブログ改善に役立てます。)
                  | 企画・御礼・お知らせ | 12:56 | - | trackbacks(0) | - | - |
                  禁断の写真(英二編)
                  0

                    らぶばなです。BANANA DREAMへようこそ!
                    湿気が高くて蒸し暑い日が続きますね。
                    こんな日は ビールばかり飲んでしまいます。

                    アッシュと英二も、きっとよく二人でお酒を飲んでいたと思いますが、
                    記憶をなくすほど飲んだり、酔って開放的になったりしたのでしょうか?

                    二人がふだん飲むお酒は バドワイザーですよね?
                    (原作でバドワイザーを飲んでましたしね)
                    私はバドワイザーはほとんど飲んだことないのですが……
                    ちなみに、我が家は金麦を毎日飲んでます☆

                    そして、アッシュがたまり場で飲むときはウィスキーでしょうか?
                    (ロック?)

                    私はすぐ酔うので、ビールくらいしか飲めません。
                    ウィスキーは全くダメでしたが、最近はハイボール
                    ハマりました。年上の知人にすすめられて飲みましたが、
                    炭酸水とレモンをたっぷり入れたら―美味しい〜♪

                    ハイボールを飲むときは、甘いものが欲しくなりますね。
                    チョコレートとハイボール、すごく合いますよ☆
                    我が家ではトリスを飲んでいます。


                    また、気持ち悪いと思うかもしれませんが
                    焼酎とポカリスエットを割って飲むのも好きです。
                    これは友人からすすめられたのですが、飲んでみると
                    美味しくて……。騙されたと思って試してみて下さい。

                    さて、話を戻しましょう。もうお分かりだと思いますが
                    今回はお酒がテーマです。

                    創作話の元ネタはイラストブック「Angel Eyes」です。
                    (私の妄想のバイブル……)
                        ▼▼

                    この中に「Tシャツを脱ぐパンツ1枚の英二」のイラスがあります。

                    ちょっとセクシーなので、私の中では禁断のイラストです。
                    このイラストとお酒を組み合わせて創作しました。

                    イラストブックをお持ちの方はイラストを見てからお読みください。
                    お持ちでない方……もったいないですよ!(←断言)
                      
                    ぜひチェック! >>Angel eyes―吉田秋生イラストブックBANANA FISH


                    以下バナナフィッシュ創作話です。お楽しみ下さい。



                    【 禁断の写真(英二) 】


                    今夜は仲間たちが59丁目のアパートに集まり、ちょっとしたパーティー
                    状態になっていた。
                    はしゃぎ声と歌声が響く部屋で、各自が持ちよった酒缶やボトル・つまみの
                    容器が次々と空になり、部屋の片隅に山のように積まれていた。

                    アッシュと英二はふだん ― 静かな雰囲気でゆったり晩酌するのだが―
                    この日は賑やかな雰囲気につられるように、ハイペースで酒を飲んでいた。


                    「―じゃあな、おやすみ! 」


                    数時間後、顔を真っ赤にした仲間達はそれぞれ帰っていった。
                    アッシュと英二は玄関まで仲間を見送った。

                    そしてアルコールと色々な食材の匂いが残るリビングに戻ると、
                    ―もともと広い部屋だが、やけに広く感じられた。

                    アッシュはリビングの窓を開けた。ひんやりした外気が顔に当たるのを
                    感じながら、後片付けをしている英二に言った。


                    「英二、片づけは明日にしろよ。もう少し飲まないか? 」


                    英二は 積まれたゴミの中から缶と瓶を分別して入れていたが
                    その手をとめてアッシュの顔を見た。

                    「そうだね。実は僕もそう思ってたんだ。よし、飲むか!」

                    英二が立ち上がると、すでにアッシュはキッチンへ行っていた。
                    冷蔵庫からバドワイザーを2本とり、その1本を英二に手渡した。


                    「今日は賑やかだったな。あいつら―こんなに飲んだのか。」
                    積まれたゴミを見て少々あきれながらアッシュは言った。

                    「日本では、大勢で酒を飲むのか?」


                    「そうだな……大学の先輩達は酒豪だから、よく飲み会に
                     強制的に参加させられたよ。」
                    視線を天井にむけ、何かを思い出すように英二は言った。


                    「お前はそこで鍛えられたんだな。」

                    「そうだよ。」
                    そう言って英二はバドワイザーを一気に飲みほした。


                    「おいおい― 英二、あまり調子にのるなよ。」
                    アッシュは心配して英二に言った。

                    「アッシュこそ、酒が全く減ってないじゃないか。」
                    少しムッとした表情で英二がつっかかった。

                    「そうかな?」
                    アッシュはニヤリと笑って英二を見た。
                    「持ってくるから、もっと飲みなよ。僕の酒が
                     飲めないっての?あははは・・・」
                    英二が大口をあけて豪快に笑う。

                    (酔ってるなこいつ・・・)
                    アッシュは逆に酔いが冷めてきた。
                    「あー熱いっ!」
                    英二は酔って熱くなったのだろう。
                    首筋から顔にかけて肌が赤くなり、額には汗がにじんでいた。
                    「そうとう酔ってるな、英二。」
                    「君も顔が少し赤いぞ。写真に撮ってやろうか?」

                    英二はいたずらっぽく笑い、カメラを持った。
                    そしてアッシュを撮影しようと構えた。
                    アッシュは呆れ顔になったが―面白いことを思いついた。

                    「おまえはいつも俺のこと撮ってるだろう?
                     たまには俺がお前を撮ってやるぞ。」
                    「えっ僕を?」
                    カメラを持っていた手をおろして、英二はアッシュを見た。
                    「あぁ」

                    アッシュが英二からカメラを受け取り、英二に向けた。
                    「何かポーズ決めろよ。」
                    「うーん、じゃぁ……」
                    英二はふらふらしながら考えていたが―突然ジーンズを
                    脱ぎ捨てた。
                    ふだんの彼なら 皺が寄らないようにきちんと折りたたむのに
                    酔っていた英二は床に落ちたジーンズを踏みつけていた。

                    更に英二は Tシャツの端を持ち、脱ごうとした。
                    慌ててアッシュがその手を止めた。
                    「英二! 何やってんだよ! 」
                    「だって君がポーズを決めろっていうから。
                     これはTシャツを脱ぐポーズだ!
                     さ、早く撮りなよ! 先輩の言う事は聞くべきだよ! 」
                    英二は悪酔いして訳のわからない事を言っている。 

                    (まぁいいか、自分から言い出したから……
                     でも英二、後でこれを現像したら驚くだろうな……)


                    アッシュはそんな事を思いながら―英二がしつこく撮影しろと言うから
                    言われるがまま写真を撮った。


                    数日後、アパートメントにマックスと伊部がやってきた。

                    「やぁ英ちゃん、アッシュ、元気かい?」
                    「伊部さん! マックス! どうぞ入って下さい。」

                    今日、伊部は英二に写真撮影と現像方法を教える事になっていた。
                    英二はお茶を入れるためにキッチンに向かい、マックスはアッシュと書斎で
                    何か話しこんでいた。

                    伊部は写真指導の準備をするために、暗室として使用しているクローゼット
                    の中に入った。すでに現像されていた写真の束が目にとまったので
                    何枚かを手にした。

                    「どれどれ。英ちゃんも随分上手になったじゃないか。
                     ……ハッ!! これは! 」

                    伊部は『Tシャツを脱ごうとするパンツ1枚の英二』の写真を発見した。

                    (これを撮影できるの人物はアッシュしかいない……)

                    そう確信した伊部はアッシュを問い詰める為に書斎のドアをノックした。
                    「どうぞ―」
                    アッシュは軽く返事した。ドアは重々しい音をたててゆっくり開いた。

                    「アッシュ……」
                    「俊一、どうかしたのか?」
                    アッシュが思わず伊部を気に掛けるほど、その顔色は悪かった。
                    「これ―」

                    俯き加減に暗い表情をした伊部がゆっくりと近づき―例の写真を渡した。

                    「あ、この写真は!」
                    アッシュは焦った。まさか伊部に見られるだなんて。

                    伊部はアッシュの肩を強くつかんで言う。
                    「アッシュ……お前は……英二を……」

                    恐ろしくて最後まで言葉がでなかった。

                    「俊一、違うぞ! 妙なことを考えるな! 」

                    「 【妙なこと】 って何だよ……」
                    ますます疑いを強めた伊部が眉間に皺を寄せた。
                    アッシュには伊部が急に老けこんだように見えた。

                    「だーかーらー! 」

                    この後、軽いパニック状態になったアッシュは ―IQ200にも関わらず―
                    伊部の誤解を解くのに必死だった。


                    <完>  ※この下にアッシュと英二のつぶやきがあります。 

                    アッシュは伊部さんの誤解を解けたのでしょうか?想像すると楽しいです。
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                    アッシュのつぶやき
                    「俊一、誤解だー!」

                    英二のつぶやき
                    「あ、あの写真? 僕、酔って脱いだみたいだね!
                     アハハハ……」(←全く気にしていない)

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                    もしも映画タイタニックをアッシュと英二が演じたら・5
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                      らぶばなです。 BANANA DREAMへようこそ!

                      前回、フォックスの罠にかかった英二は 手錠をかけられ、
                      船底の部屋に監禁されました。そして今回、アッシュが英二を
                      救出するために奮闘します。

                      映画では、ローズが手錠で拘束されたジャックを助けましたが、
                      その時ローズは手錠をオノでたたき割りました。
                      私はそのシーンでふと疑問を感じました。

                      手錠のつなぎ目をオノで割っても、完全に取れないのでは・・・・・・?

                      鍵を差し込まないと、手錠は手首に付いたままではありませんか?
                      (私の勘違いかもしれないので、どなたか知っていたら教えて下さい……)

                      手錠のイメージができずに困ったので、私はオノで割りやすい手錠を探す
                      ことにしました(笑)

                      探していると、種類がたくさんありました。面白いのでほんの一部ですが
                      ご紹介します。(誤解のないように言いますが、変な趣味はありませんよ。)


                      これはステンレス製手錠です。このタイプが一番多かったと思います。
                          ▼▼
                       
                      手首の部分に鍵穴があるので、たとえ斧で叩き割っても、
                      鍵がなければ手首に手錠がついたままになりそうですね。
                      私の評価は50点です。


                      これは地下牢用手錠です。囚人用なので迫力があります。
                         ▼▼
                       
                      この手錠は、手首に当たる部分の太さがイメージに近いのですが
                      六角レンチが無いと解錠できません。よって評価は60点です。

                      そして理想に近い手錠を見つけました!

                      金属製南京錠付き手錠です。
                        ▼▼

                      南京錠をはずしたらこの様にとれます。
                        ↓ ↓
                       
                      この手錠は南京錠のU字になっている部分さえ壊せば、
                      手首からすぐにはずせますよね? 私の評価は85点です。
                      今回の創作で出てくる手錠は、これをイメージしてください。

                      さて、長々と私のくだらない話にお付き合いいただきましたが、
                      そろそろ本編に入ります。

                      とうとう氷山が客船にぶつかります。アッシュと英二の運命は
                      どうなるのでしょうか?
                      以下、バナナフィッシュ創作小説です。お楽しみ下さい。



                      【もしも映画タイタニックをアッシュと英二が演じたら・5】



                      深夜、タイタニック・バナナ号は 寒い北大西洋を西に進路を
                      とっていた。甲板の船員が 船の前方にそびえる氷山を発見した。
                      そのあまりの巨大さに驚いた船員は 大声で叫んだ。


                      「氷山だ、ぶつかるぞ!」


                      船員が必死に舵を切り、氷山との正面衝突は避けたが、船は氷山の側面と
                      接触してしまった。大きな衝撃と振動が船内を駆け巡った。

                      「何だ? 」
                      船底にいた船員が穴を発見した。

                      「大変なことが起きた! 」

                      壁が破れ 埃が舞い散り、衝撃によってできた亀裂から 海水が勢いよく流れ込んできた。


                      豪華客船は浸水が始まったが、上の1等乗客は優雅にふるまっていた。
                      彼らは「絶対に沈まない」と宣伝されているこの船を信じていた。


                      アッシュはゴルツィネ、フォックスと共に食後のお茶会に参加していた。
                      アッシュの耳には『翡翠のピアス』がつけられていた。
                      白く柔らかな肌にきらびやかな宝石が輝いていた。

                      アッシュは、ティーカップに注がれた琥珀色の紅茶に手をつけることなく、
                      その揺れる水面をじっと見つめながら 考え事をしていた。


                      (やはり英二が宝石を盗んだとは思えない……これはフォックスが
                       仕組んだ罠ではないか? )

                      拘束された時、 英二は「僕を信じて」とアッシュに言った。
                      英二は黒い瞳を大きく見開き、まっすぐアッシュを見つめていた。

                      アッシュは 英二に会って真実を確かめたい気持ちにかられ、席をたった。

                      「アッシュ、どうした? 」
                      「すみません。気分が悪いので、先に休ませていただきます。」
                      「大丈夫か? 今日は色々あったからな……。
                       ゆっくり休みなさい。」


                      アッシュはダイニングルームを出たが、部屋へ戻らず
                      英二が監禁されている船底へ向かった。


                      アッシュは 船底に向かう途中で船の異変に気付いた。
                      船底の3等乗客が必死の形相で上へ上へと押し寄せてくるではないか。
                      荒々しい足音・先を急ぐ3等乗客の罵声が通路に響いていた。


                      アッシュは乗客の一人を無理やりつかまえて聞いた。
                      「何が起こった?」
                      「船が氷山にぶつかった。この船は沈没する! 分かったら放せっ! 」
                      「何だって!!  」
                      (英二が危ない!急いで助けないと! )



                      手錠をかけられた英二は 船底の薄暗い部屋に監禁されていた。
                      粗末なベッドと机、椅子しか置いていない部屋は狭く、かび臭かった。

                      ドアは外側から施錠されており、英二は部屋を脱出できないでいた。
                      「誤解が解ければ、解放されるだろう」と英二は呑気に考えていたが、
                      船底を走る人々の足音と罵声がこの部屋にも響きわたり、非常事態が起きた
                      事が分かった。

                      更に木製ドアの隙間から海水が侵入し、じわじわと床一面に広がりだす
                      様子を見るうちに英二は恐怖心でいっぱいになった。

                      自由の利かない手首を振り上げ、木製ドアを懸命に叩いた。
                      手錠が肌に擦れ、その痛みで顔をゆがめながらも英二は叫んだ。
                      「助けて!ここから出して!」

                      「英二! どこだ? どこにいる? 」
                      アッシュは、船底の部屋のドアを1枚ずつ開けて、英二が監禁されて
                      いないか確認していた。

                      (たのむ……間に合ってくれ!)

                      その時、アッシュはある部屋からドアを叩く音が聞こえた。

                      「英二? 」

                      英二もアッシュの叫び声が聞こえた。
                      (いま……確かにアッシュの声が聞こえた!)

                      「アッシュ! ここだよ! 僕はここにいる!」
                      英二は必死に両手でドアを叩いた。水位は膝上にまで
                      上がってきていた。


                      「ここにいるんだな、英二?」
                      「うん! ここにいるよ!」
                      「今あけてやる! ドアから離れろ!」

                      アッシュは他の部屋から猟銃を持ち出した。そしてドアノブまわりを
                      1周するように正確に撃ち抜き、更に足でドアを蹴り上げた。
                      木製のドアは みしみしと音をたて、水面に水しぶきをあげて倒れた。


                      「アッシュ! 」
                      英二が笑顔を見せた。

                      「英二、悪かった……! お前を疑ってしまって。
                       こんなもの、お前が欲しいと思う訳ないのに!」


                      アッシュは耳につけていた『翡翠のピアス』をはずし、
                      ジャケットの内ポケットにしまった。

                      「今すぐその手錠をはずしてやる!」


                      アッシュは、手錠をはずす道具を探すために部屋を出た。

                       


                      その頃、船の設計者は船長にこの船があと1〜2時間で
                      沈没することを伝えていた。


                      船長によりSOSが発信され、救命ボートが下され始めた。
                      だがボートの数は乗客全員を助けられられない。
                      女性と子供から避難が始まった。


                      ゴルツィネとフォックスもようやく船が沈むことを理解した。
                      フォックスは焦った。

                      「まずい、このままでは…… 養子縁組の話どころではない……」

                       


                      海水は船内にどんどん流れ込み、船を飲み込み始めた。
                      アッシュは胸まで迫る海水の中を探し、オノを発見して
                      英二のいる部屋に戻ってきた。


                      「英二、このオノで手錠を叩き割ってやる! 
                       南京錠のU字の部分を壊せばその手錠は必ずはずれる。
                       怖いと思うが…… いまは俺を信じてくれ! 絶対に動くな! 」
                      アッシュは手錠でつながれた英二の手を握りしめて言った。


                      「うん…… 僕は君を信じている!」


                      恐怖心でいっぱいのはずなのに、英二はアッシュをまっすぐ見つめた。
                      そして机の上に手首をのせた。

                      「いくぞ……!! 」

                      アッシュは力いっぱいオノをふり上げた。
                      その瞬間、英二は思わず目をきつく閉じた。
                      鈍い音が両手に響きわたり、英二は何が起こったのか分からなかった。

                      英二はゆっくりと片目ずつ目を開けた。
                      南京錠はグニャリと曲がり、半分にちぎれていた。

                      英二は ずっと手首を締め付けていた手錠を外した。
                      ようやく手首を自由に動かすことができるようになった。


                      「アッシュ、ありがとう! 」
                      英二はアッシュに抱き着いた。

                      「あぁ! ここを早く出よう! 上に行くぞ! 」
                      ホッとしたのもつかの間、手を取りあってすぐに部屋を出た。


                      二人はようやくデッキの上に出ることができたが、そこは
                      逃げ惑う人々でごった返し、悲惨な状態だった。



                      1等乗客は女性客からボートに乗り移って行った。
                      フォックスは男性にも関わらず、金の力と暴力で船員を脅し、
                      何とかボートの席を3人分予約することができた。


                      「ゴルツィネとアッシュを何としてもボートに乗せないと
                       養子縁組の話がなかったことになってしまう・・・。」


                      ゴルツィネにはボートの席を確保するから
                      上デッキで待っていてほしいと伝えていた。
                      後はアッシュを見つけるだけだった。

                      人々の混乱の中、フォックスはデッキに上がってきた
                      アッシュと英二を発見した。

                      (あいつら! アッシュめ、消えたと思ったら……)

                      「アッシュ! 早くボートに乗りなさい!」
                      フォックスがアッシュの腕をつかまえた。
                      だがアッシュは答えない。心配そうに英二を見つめた。


                      フォックスは、アッシュが英二がボートに乗れないことを
                      心配していることに気付いた。


                      「英二君の席は向こうのボートにとってある。
                       だからアッシュ、安心して乗りなさい。」


                      「アッシュ、ボートに乗って! 僕は向こうの
                       ボートに乗るから!」

                      「英二……」

                      英二の説得でアッシュはフォックスと共にボートへ
                      乗り込んだ。

                      「アッシュ、お前はここで待っていなさい。
                       私はムッシュウを連れて来る。」

                      英二はフォックスが嘘をついている事が分かっていた。
                      だが、どうしてもアッシュにボートへ乗ってほしかった。
                      英二がアッシュのいるボートに向かって大声で叫んだ。


                      「アッシュ! 生きるんだ! どんな事があっても
                       生き抜くんだ! ……僕も絶対に生きるから! 」


                      ボートのロープがゆっくり下され始めた。アッシュは救命ボートから
                      人々を掻き分けて、船の本体の柵にしがみついた。


                      驚いたフォックスは アッシュを引き留めようと追いかけた。
                      銃で英二を撃とうとしたが、勢い余って海中に落ちた。

                      「うわ! 助けてくれ! 」

                      だが、パニックになっている客船の乗客にその声は届かず、まして
                      ボートに乗っている女こども達ではフォックスを助けることなどできなかった。
                      おぼれた後にフォックスは海中に沈んでしまった。



                      客船では、英二がアッシュの腕を引っ張って船に引き上げた。


                      「アッシュのバカ!!どうして戻ったの?」
                      英二はアッシュに思わず抱きついた。


                      「俺は、偽物しか得られないあいつらより、本物の愛情を示してくれる
                       お前の方を選びたかった…… 後悔はしていない。」


                      「アッシュ、本当にバカだよ…… でも、僕は嬉しい。」


                      二人は感動して涙を流したが、タイタニック・バナナ号は
                      どんどん角度を大きくして海中に沈み始めた。甲板から
                      滑り落ちて叫び声とともに海に落ちるものも大勢いた。



                      その頃、ボートの残席を巡って争う人々や、混乱を鎮める
                      ために発砲される銃声を静かに見聞きしていたゴルツィネは
                      すでに自らの死を覚悟していた。

                      側近に命令して用意させた最高級のスーツを着て、豪華な
                      皮の椅子に座り、葉巻をゆっくりふかした。

                      その手には 英二が撮影したアッシュの写真を持っていた。
                      彼は数枚の写真を自分の金庫に入れた。


                      「私は最後まで誇り高く、そして紳士らしく海に沈んでいく。」
                      ゴルツィネは、最後の瞬間まで誇り高く振舞った……。



                      <続> 次回最終 
                       


                      次は最終回です。二人はどうなるのでしょうか?
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                      | 夢妄想・シリーズ編 | 21:00 | - | trackbacks(0) | - | - |