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BANANA DREAM

少女漫画BANANAFISHの二次創作ブログです。アッシュと英二の幸せな日常話を中心に、バナナフィッシュのキャラクター達とのギャグ・パロディ創作小説を掲載しています。
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バナナフィッシュ版白雪姫4 〜姫の逃亡、悪魔の森へ〜
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    「お呼びでしょうか、ユーシス王妃様」
     召使いで猟師の伊部は王妃の部屋に呼ばれた。

    「イベ、お前に用件がある」
     いつも綺麗で優美な王妃だが、今日は表情が硬い。目は
    つりあがっていて異様な冷たさを感じた。

    「どのようなことでしょうか? 」
     恐る恐る伊部は聞いた。
    「英二姫を森に連れて行きなさい」
     王妃は強い口調で言った。
    「森へ……ですか? 」
     伊部は嫌な予感がした。

    「そうだ。英二姫を殺して肝臓をとってきなさい」
    「えぇ!白雪姫を…… 王妃様、私は英二姫様が小さな頃
     からこの城で仕えてきました。その姫様を……? 」
     伊部はとまどいを隠せなかった。

    「だからどうしたって言うの? 」
     王妃は目を細めて冷たく返した。

    「姫様は私に懐いてくれました。私も嬉しくて姫様のお写真
     などを撮らせていただきました。その……まるで我が娘の
     ような存在です…… 王妃様、お考えなおしください! 」
     伊部は必死になって王妃に訴えた。

    「二度と見たくないのだ。英二姫を殺せ!さもなければ
     ……お前を殺す! 」
     王妃は言いきった。これ以上何を言っても耳をかさないの
    は明らかだった。

    「は……はい……! 」
     伊部は慌てて部屋を飛び出した。

     
        ***


     ブランカ国王から外出許可をもらった英二姫が意気揚々と
    庭園にやってきた。

    「イベさん!おはようございます」
     姫はご機嫌で、ニコニコと笑っている。


    「あ……英二姫様……おはようございます 」
     伊部は複雑な心境だった。姫の顔を真正面から見る事ができな
    かった。

    「今日は乗馬を教えてくれるんですよね。
     よろしくお願いします」
    「は……はい。では悪魔の森の手前にある草原に行きましょう。
     馬小屋があるので、そこで乗馬をしましょう」
    「楽しみだわ」
     英二姫は笑って馬車に乗った。

     スノー国と森の境界にある草原に二人は着いた。青緑色の緑が
    美しい平地が目の前に広がり、奥には鬱蒼とした怪しげな木々の
    固まりがあった。

    「英二姫様、馬小屋で乗馬の準備をしてまいります」
     この後、英二姫を殺さねばならない伊部の表情は曇った。

     伊部の異変に、英二姫が気づいた。

    「イベさん、どうしたのですか? 元気がないですよ」
    「英二姫様……いえ、何でもありません」
     伊部の手は小刻みに震えていた。

    「そうですか。本当に困った時は言ってくださいね。
     イベさんは私にとって叔父のような存在ですから……」
     英二姫は伊部の手を握りしめて言った。

    「姫様……」
     伊部は俯いた。一筋の涙が頬を伝った。
     この優しい姫をどうして殺すことなどできようか。

     その時、一頭の白馬が森の中から飛び出してきた。
    「白馬? 森の中からどうして……? 」
    「英二姫様、興奮しているから危険です! 近づいては
     いけません」

     英二姫には白馬が何かに脅えている気がした。
     驚かさないようにゆっくりと近づいていった。

     白馬は英二姫の眼差しに何かを感じて、落ち着きを
    取り戻した。
    「よしよし……お前は可愛い馬だね。」
     英二姫は白馬を優しくなでた。

     伊部が白馬に近づいて言った。
    「英二姫様、見たところ野生の馬ではないですね。
     立派な馬装具を身につけています。かなり身分の高い
     人の馬だと思うのですが……」

    「身分の高い人? 隣のリンクス国の馬が逃げて来たの
     かしら? 」
     姫は首をかしげた。

    「何とも言えませんね。ひょっとして悪魔の化身かも
     しれません。それならば危険なので処分しないと! 」

    「それは止めて下さい!この子は綺麗な目をしているわ。
     それに私達に危害を加えていません! 軽いケガを
     しているようだし、どうか保護してあげて」

     英二姫は必死にお願いした。上目づかいで懇願する姫を見て、
    伊部は優しい英二姫のお願いを受け入れた。

    「……分かりました。草原の馬小屋で預かりましょう」
    「良かったね。イベさんにまかせておいたら大丈夫だよ」

     伊部は白馬のケガの手当てをし、馬小屋に保護した。

    (森の中か……あの森の中なら誰も追ってこない……)

     伊部はある決意をしていた。そして馬小屋から銃と袋を取り出し
    ごそごそと何かを詰めだした。

    「英二姫様、お待たせしました。では乗馬の練習をしましょう。
     まずは私の後ろに乗ってください」
    「えぇ、楽しみ!」
     2人は馬に乗ってすすみ始めた。

    「英二姫様、以前から森に興味がありましたよね?
     少しだけ森の中を探検していみませんか? 」
     伊部は姫が以前から森に興味を持っていたことを知っていた。
     わざと姫が喜びそうなことを提案した。

    「いいの?皆は怖い噂を信じてるようだけど、悪魔かどうか
     会ってみないと分からないわ……。本当は素敵な王子様
     かもしれないわよ」
     姫はクスクスと笑った。

    「王子様ですか。英二姫様もお年頃ですから恋愛に憧れることも
     あるでしょう」
    「運命の出会いがあればいいですね」
    「英二姫様はお美しいですし、お優しいからきっと誰からも
     愛されますよ」
     伊部は笑って言った。本当にそうだと思った。

    「ありがとう。イベさん……随分森の中に入ってきましたね。
     歩いて戻るのは大変かも。そろそろ戻りますか? 」
    「では一度休憩しましょう。英二姫様、おりましょう 」

     伊部は英二姫を降ろした。そして跪き、真剣な目で英二姫を
    見つめた。

    「英二姫様、今から言う事をよく聞いて下さい。
     酷な事を言いますが、スノー国に戻ってはいけません。
     この森の奥へ行って下さい」
    「どういうこと――? 」
     姫は突然の話についていけなかった。

    「――私は王妃からあなた様を殺害するように命令されました」
     このとき、伊部は顔を上げることはできなかった。

    「え!どうして……そんな!お母様が……」
    「私にはあなた様を殺すことなどできません。私はあなた様を
     小さな時から見守ってきました――我が子と同じです」
    「イベさん――」
     沈痛な表情を浮かべる伊部の顔を見て、姫は胸が熱くなった。

    「私が何とか王妃を誤魔化します。どうか森の奥で暮らして下さい。
     この袋に数日分の食料が入っています」
    「イベさん……」
    「どうか、いつまでもお元気で! 」

     伊部は馬に飛び乗り、英二姫を森の中に置き去りにした。そして
    途中でイノシシを狩り、その肝臓を取り出してスノー国へ持ち帰った。

    「ユーシス王妃様、こちらが英二姫の肝臓です」
     伊部は王妃にイノシシの肝臓を差し出した。

    「フフフ……よくやったわ、イベ」
     ユーシス王妃は立ちあがって喜んだ。
     上機嫌で女中を呼んだ。

    「ジェシカ、これを塩ゆでにして、サラダにしてちょうだい」
    「は……はい」

     ジェシカはこれが何か分からないまま調理をした。
    (何かしら?これは……)

     ジェシカはサラダの毒味をしてみた。触感はモサモサして非常に
    気味が悪く、特に美味しいものではなかった。

    「王妃様、出来上がりました」
     王妃は肝臓サラダを美味しそうにぺロリと食べた。

    「……美味しいわ。これはね、とても美容に良いものなの。
     明日から肌の調子がよくなるわね! ウフフフ…… 」

     王妃はこの上なく幸せだった。
    (鏡に質問するのが楽しみだわ……)

    <続>
    -------------------------------------------------------------------------------- 【あとがき】
    らぶばなです!おはようございます!
    今回は伊部さんの英二姫への愛情を感じていただけたらと思います。
    原作のバナナフィッシュでも、伊部さんは英二を弟のように(子供?)
    可愛がっていましたよね。
    そして英二姫もアッシュ王子も恋への憧れを持っていることが分かり
    ました。そんな二人が悪魔の森に入りました。二人はいつどこで出会う
    のでしょうか?楽しみですね。
    そして英二姫の肝臓(と勘違いして)を食べるユーシス王妃……
    怖すぎです。知らなかったとはいえ、イノシシの肝臓を食べるはめに
    なったジェシカ……可愛そうです。
    今回もお読みいただき、ありがとうございました!
    メッセージ・コメント・リクエストは下にある拍手ボタンからどうぞ。


    以下、拍手お礼です。 きいろ様
    毒味係のジェシカ、王妃に振り回されてばかりで
    可愛そうですね(笑)人の肝臓じゃなくてよかったです。
    イノシシの肝臓ってまずそうですけど……。
    | 夢妄想・シリーズ編 | 07:59 | - | trackbacks(0) | - | - |
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